夫の死後、妻子が遺族年金を受け取ることができない…
そのような事例が全国的に多発していました。
DV被害を受けた妻や子は、夫の暴力から逃れるために避難し、転居先を秘密にしたまま、相手に生活費の支払いを求めることもできず、困難な生活を送ります。
やがて夫が亡くなった時に、妻子に遺族年金が支給されるかというと、そうはいきませんでした。
なぜなら、遺族年金は、亡くなった方によって『死亡当時に生計を維持されている』ことが要件だからです。
以前ご依頼いただいた方が、まさにこの状況でした。
その案件では、妻が、夫の言動が改善すれば別居を解消しようと思っていたことや、夫の葬儀の喪主を務めたことなどが証拠として認められ、遺族年金を受給することができました。
警察や公共機関にDV相談に行ったことの記録や、離婚の意思が無かったことの確認など、ありとあらゆる証拠の提出を求められ、粘り強く対応した結果でした。
しかし別のDV案件では、長期間苦しい生活を強いられたにもかかわらず、生計維持関係が無かった期間が長すぎると判断され、支給決定が下りなかったケースもありました。
「夫なしで長期間生活できたということは、一人で生計が立てられたということ、つまり遺族年金は不必要である」といわんばかりの判断は、望まぬ苦境を乗り越えた母子に対し、あまりにも厳しかったと今もなお思います。
今回、厚生労働省から日本年金機構へ、DV等のやむを得ない事情の別居は、支給対象にするようにと指示がだされました。一人でも多くの方が救済されることを願います。
思い当たる方はぜひ、ハーモニーにご相談ください。